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教授あいさつ

主任教授 日比 潔

横浜市立大学循環器内科学主任教授の日比潔と申します。
当教室は内科学第二講座(循環器内科・腎臓・高血圧内科・神経内科・消化器内科)を前身とし、私は石井當男第3代教授、梅村敏第4代教授、田村功一第5代教授に師事しました。この度、教室再編に伴い新たに循環器内科学教室が発足することになり、2022年10月から教授を仰せつかいました。ご指名いただいたことを誇りに思うと同時に、身が引き締まる思いであります。
循環器内科医となって以来、横浜市民の命を守るため全力を尽くしてきました。私は低侵襲カテーテル治療を専門とし、横浜市立大学附属市民総合医療センターの木村一雄前教授の指導のもと、狭心症や心筋梗塞、弁膜症の患者さんの診療・研究に当たってまいりました。
また高い医療技術とリサーチマインドを持ち、倫理意識の高い、患者様に信頼される循環器内科医師の育成に尽力してまいりました。

学生・初期研修医の皆様へ

当教室のホームページを閲覧いただきありがとうございます。
私が医師となった1990年代初頭、本邦で虚血性心疾患のカテーテル治療が始まり、その進歩と共に歩んできました。
近年の循環器内科領域の治療の進歩は目覚ましく、大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)や僧帽弁逆流症に対する経カテーテル僧帽弁クリップ術(MitraClip)など、これまで開胸手術でのみ治療が可能であった弁膜症のカテーテル治療が可能となってきました。不整脈の分野でもカテーテル心筋焼灼術により、心房細動を始めとする多くの不整脈を治療することが可能となり、さらに出血のリスクの高い心房細動症例に対して抗凝固療法を不要にする経カテーテル左心耳閉鎖術も本邦に導入されています。
循環器内科学領域は日々進歩し続けています。生命に直結する病気を治療し、患者さんから信頼され、やり甲斐を感じる分野だと思います。
その一方で医師の環境は最近10年間で大きく変わり、われわれ循環器内科医も“医師の働き方改革”や“多様性”に対応していく必要があります。
このような中、われわれは個々人の働き方を尊重したいと考えております。当教室は神奈川県下に19の協力病院を有し約170名の教室員が所属しておりますが、各医局員は生活環境も価値観も一人一人異なると考えています。
先進医療を積極的に学び、重症循環器救急患者の救命にあたりたい医師、最先端の臨床研究・基礎研究を学びたい医師、ワークライフバランスを尊重しながら循環器医療に貢献したい医師等、さまざまな考え方を大切にし、活躍の場を提供したいと考えております。

多様性への対応

女性医師に是非とも循環器内科学領域で活躍していただきたいと考えています。
最近は学会で多くの女性医師が活躍していることに気がつきます。臨床の現場においても女性医師が活躍するためには、周産期や子育て世代の医師に働きやすい環境を作ることが重要です。横浜市立大学およびその協力病院は、希望者には定時出退勤を保証するなどの改革を開始しており、今後も現場の女性医師の意見を大事にしたいと考えております。
一方で、第一線で臨床をがんばりたい、学会で活躍したい、研究を追求する希望がある医師は、その実現のために最大限のサポートを惜しまず、キャリアパスを示していきたいと思います。

当大学は二つの附属病院があり、横浜市立大学附属病院の循環器内科は、慢性血栓塞栓性肺高血圧症において薬物療法・カテーテル治療の治療数は神奈川でトップであり、全国でも有数の施設です。不整脈の心筋焼却術症例数も多く、重症心筋炎や心筋梗塞による心原性ショックの症例に対する経カテーテル補助人工心臓を有します。
横浜市立大学附属市民総合医療センターは、虚血性心疾患や弁膜症のカテーテル治療、不整脈の心筋焼灼術の症例数が豊富であり、短期間に専門医を取得できるようなプログラムも用意しております。
大学院に進学し、臨床を続けながら臨床研究をおこなう、もしくは循環制御医学など基礎教室と連携しトランスレーショナルリサーチをおこなう、病院で働きながら学位取得を目指す社会人大学院など、多くのオプションの用意があります。

循環器内科は薬物療法を中心とする従来の内科学に加え、カテーテル血管内治療など外科的側面も併せ持つ特徴があります。
このためにはチーム医療が必須であり、多くの同僚、コメディカルと力を合わせて治療を進める醍醐味を是非共有したいと思います。